八澤豊幸
yasawa toyoyuki 八澤豊幸 有限会社トム 代表取締役社長 https://store-tom.com/

Profile略歴

横田高校卒業後、東京のリフォーム訪問販売の営業職を経験。入社後3カ月で会社都合にて退職。
その後、島根に戻り前職の電子部品の検査会社へ就職。新規事業の立ち上げ(工場移管)から始まり、新規事業の立ち上げ全てに関わる。
リーマンショックをきっかけに食品事業へ参入し、食品事業の統括として数多の食品研究開発を経験。ドライエディブルフラワー(食べられる押し花)を使ったお菓子の製造販売の事業に携わる。
その4年後、前職の会社倒産に伴い2014年に独立。現在はドライエディブルフラワーのみの製造販売で事業を行っている。

現在の仕事についた経緯

前職でドライエディブルフラワーに出会いました。お花は毒性がないものを栽培中に、農薬や化学肥料を使わずに育てると食べることができるということに衝撃を受けました。
桜や菜の花などの一般的に食べられているお花ではなく、いわゆる花壇苗のビオラやバーベナなども安全に管理して育てれば食べることができます。
弊社の押し花の加工は、地域の70歳のおばあちゃんにお願いしています。これは田舎の地域性と社会性にマッチしていると感じています。
私は、お花が嫌いな人はいないと思っていて、お花には人を笑顔にするパワーがあると信じています。「エディブルフラワー×食で世界中の人を笑顔にする。」というMISSIONを持って取り組んでいます。

仕事へのこだわり

18歳で企業人としてスタートしました。最初の会社は訪問販売の営業で完全歩合制でした。全国に新卒は181名いて、そのうち東京支店に20名。仲はいいけれど仕事では負けたくないと思って頑張っていました。全員がライバルでした。しかしその後、その会社は役職を残して全員解雇(実質的倒産)となり、地元の島根県奥出雲町に戻りました。
最初は夜勤のバイトから始め、その時から作業日報を書くときに、「仕事の処理数で周りの人に負けたくない」という気持ちが人一倍強くありました。のちに社員になり管理職になってからは、作業日報などで表される処理数の概念がなくなり、代わりにお客様と接することが増え、お客様と話をすることがとても楽しいことだと知りました。
そして、現場の管理をしながら営業に出るという日々で、お客様から感謝されることへの喜びが仕事の原動力になることに気づきました。競うこと以外の、自分の価値を表す方法に出会えた瞬間でした。
現在は、世の中のすべての人に刺さらずとも、一人でも幸せな気分になってもらえる商品を作れたらと思っています。弊社の経営理念にある『奥出雲から笑顔の花を咲かせます』という気持ちを一番大事に考えています。

「SDGs」についての取り組み・考えなど

弊社が取り組んでいるSDGsの活動は「住み続けられる町づくり」です。
弊社の立地する島根県奥出雲町は過疎化が進み、少子超高齢化で高齢化率は45%を超えており、消滅可能性都市となるのではと指摘されています。若者が町を出た後に帰ってくることができない町となっているのです。
理由は様々ありますが一番は仕事がないということです。田舎から一度都会へ出て経験したあとに、帰りたい気持ちがあっても帰ることができないのが現状です。
そこで弊社は『押し花の町』として産業化することを目標としています。現在は地域の70歳以上の押し花を作るおばあちゃんを『和花者』さんと呼んでいます。
少子超高齢化の町では、おばあちゃん達はとても人数が多く影響力もあります。そんな年配の方が頑張っている町ならば、出ていった若者たちにもきっと響くと思っています。
弊社が目指す「押し花の町」となった暁には、一緒に働く仲間として若者を雇用したいと考えています。産業を作ることはとても大変ですが、田舎であればあるほど、とても大事です。
みんなで作る持続可能な社会は、一人一人の意識が積み重なって大きなものになり、世界が変わると思っています。

若者へのメッセージ

人生は一度きり!悔いのない人生を!
失敗はすればするほど大きく成長します。
自分の行動には必ず意味がある。だから振り返り反省すれば、次に活かすことができます。
常に主体性を持ち、自分事と捉えて行動に移すことができると大きく成長します。
この世の中、凄まじい勢いで世界が変わりつつあります。今ある仕事がなくなっていく未来、新たな仕事が生み出される未来、可能性は無限大です。
今いる大人たちが君たちの為の未来を切り開いていきます。