上田代里子
ueda yoriko 上田代里子 株式会社VENTURAS 代表取締役社長 https://www.venturas.co.jp/

Profile略歴

1983年生まれ。大阪大学外国語学部卒業。
2006年、リクルートグループの株式会社ネクスウェイに入社。
B2B業界、IT企業向けマーケティングオートメーション法人営業、新規事業立ち上げ・新規事業推進責任者を勤めた後、2015年にバングラデシュにて国内初のEdTech企業として起業。「誰もが主体的に未来を選べる社会をつくる」をミッションに掲げ、公平な学習・就職の機会や情報の普及を目指している。
バングラデシュを代表する教育系スタートアップの1社として、政府をはじめ、現地教育機関に幅広い認知とネットワークを持つ。
現在、バングラデシュ最大規模の小学生向けオンラインプログラミングスクールの運営を始め、エンジニア特化のオンライン日本語アカデミー、高度ITエンジニアの人材紹介事業など「教育・進学・就職」領域にて様々な事業を手掛ける。

現在の仕事についた経緯

起業の原点は、6歳のときに観た湾岸戦争やソマリア危機のニュース映像にあります。テレビで見る、戦火に焼かれる家や栄養失調の子どもたちの姿に強烈なショックを受け、「生まれた国や親が違うだけで、どうしてこんなに境遇が違うのか」と疑問を抱きました。この経験が私の「ビジネスで世界平和を実現したい」という後々のビジョンの始まりでした。

学生時代にはアジアや南米の多くのNGOに参加し、その中で世界の問題は構造的に発生しており、NGOの草の根活動だけでは根本的な解決は難しく、また社会的インパクトを出すための事業拡張性や持続性に限界があると感じました。そこで、NGOではなく民間ビジネスとして関与することで、大きな影響を与えられるのではないかと考え、まずは自分自身のビジネススキルと視野を高めるために、日本の民間企業に就職しました。ここで新規事業を立ち上げる経験や問題解決力などを磨き、ビジネスアイデアを探す中でバングラデシュと出会いました。

バングラデシュで教育の不平等さとそれが人々の人生に与える機会損失を目の当たりにし、教育の重要性とその改革の必要性を強く感じました。ITを手段としてソリューションを提供することで、平等な教育機会の普及に貢献できるのではないかと考え起業の決意を固めました。そしてバングラデシュ初のEducation Technology会社として会社を立ち上げたのが、起業のきっかけです。

「SDGs」についての取り組みや、お考えなど

VENTURASは、ITを活用した教育・学習情報サービスを提供し、公平な学習機会の普及を目指しています。特にバングラデシュでの活動が顕著で、小学生向けのオンラインプログラミングスクールやエンジニア特化型の日本語アカデミー、高度ITエンジニアの人材紹介事業を展開しています。これにより、誰もが主体的に未来を選べる社会の実現を目指し、持続可能な社会の構築に貢献しています。

VENTURASの活動内容は、以下のSDGs(持続可能な開発目標)に該当します。

目標4:質の高い教育をみんなに
ITを活用した教育・学習情報サービスの提供により、平等な教育機会を提供しています。

目標8:働きがいも経済成長も
高度ITエンジニアの人材紹介事業を通じて、働きがいのある仕事の提供と経済成長を促進しています。

目標10:人や国の不平等をなくそう
バングラデシュでの教育活動により、国際的な不平等を軽減しています。

若者へのメッセージ

皆さんにぜひ伝えたいのは、主体的に生きることの重要性です。
主体的に生きるということは、置かれている境遇、他者や環境に流されることなく、自分自身の意志で選択し、行動し、経験を重ねながら、自分の人生を切り開いていくことを意味します。これは、自分の人生を他人に任せるのではなく、自分でその舵を取るという決意を持つことです。

現在の社会の価値観や「当たり前」は、未来にどうなるかは誰にもわかりません。社会は常に変化しており、これまでの常識や期待が通用しなくなる可能性も大いにあります。だからこそ、他人のアドバイス・社会の期待に左右されるのではなく、自分自身で主体性を持って選択し、行動することが本当に大切です。
そのためには、自分の興味や関心を探求し、それに向かって自ら進んでいく姿勢が不可欠です。世界全体に選択肢を広げ、多様な経験を通じて視野を広げることで、自分が本当に望むことや、自分に最も合った道が見えてくるでしょう。

経験は何にも代えがたい価値があります。 自分の足で動き、目で見て、感じることで、初めて本当のインサイトが得られます。
今は失敗に感じることも、貴重な経験価値の1つです。
意志をもって選択し、行動し、経験を重ねながら、ご自身の人生をイキイキと過ごされて下さい。