大村華由
omura kayu 大村華由 株式会社MARUNIOMODAKA 代表取締役社長/能楽師 http://maruniomodaka.jp/

Profile略歴

株式会社MARUNIOMODAKA代表取締役
能楽師小鼓方幸流/喜多流謡曲教士
1986年東京に生まれる
能楽師シテ方喜多流大村定の三女
能楽師小鼓方幸流曽和正博に師事
1989年初舞台「老松」
東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業
これまでに「猩々乱」「石橋」を披く

現在、同門会「定華会」主宰
東京・大阪・静岡にて指導を行う
秋草学園短期大学能楽部講師
沢瀉ノ会おもだかのかい」主宰、「白藍乃会しらあいのかい」同人
アメリカ、フランスをはじめ海外公演に参加し、日本の伝統文化を世界に伝える
公益社団法人能楽協会会員
一般社団法人東京能楽囃子科協議会会員

現在の仕事についた経緯

祖父・父共に、能楽という伝統芸能の世界にいたため、能楽は大変身近にありました。いつしか自分も能楽に興味を持つようになり、東京藝術大学音楽学部で学んだのち、能楽師となることを決めました。
舞台経験を重ねていく中で、能楽の普及活動の必要性を強く感じるようになり、「株式会社MARUNIOMODAKA」を設立しました。

仕事へのこだわり

能楽は室町時代から650年以上の歴史がある日本の伝統芸能です。令和の時代の能楽師として、伝統を受け継ぐだけでなく、時代の変化に寄り添い、切磋琢磨していくことも舞台人として必要なことだと考えています。
能楽師として修行に精進しつつ、経営者としては、多くの人が能楽に興味を持ち、また能楽堂にいきたいと思えるように、ワクワクするようなアイディアを常に考えています。能楽を始め日本文化の魅力をより多くの方に発信していきたいです。

「SDGs」についての取り組み・考えなど

室町時代から連綿と継承されてきた能楽の舞台では、大きな舞台装置も、照明や音響なども一切必要ありません。演者の技術と身体のみで実現できる舞台芸術です。また能楽師は生涯現役であり、一期一会の舞台が繰り広げられます。
そして、武家の庇護を受けてきた経緯もあり、能楽は長らく男性のみの世界でしたが、現在は女性の能楽師も多く活動しています。
SDGs「5.ジェンダー平等」は日本全体の課題でもあると同様に能楽界でも考えなければならない課題の一つです。これから更にジェンダーバランスが良い能楽公演の実現を目指し、能楽師としては日々精進すること、そして経営者としては1人でも多くの方にそういった舞台を楽しんでいただけるように活動して参りたいと思っています。

若者へのメッセージ

目の前にあることを一生懸命することで、必ず道が開けると思います。「努力は報われる」というのは少し間違っていて、「若いうちの努力は報われる」と考えています。
しかしその一方で、走り続けていると置いていかれてしまいそうになるのが現代の社会です。立ち止まり、古くから伝わる伝統文化芸能、先人の知恵を学ぶというのは若い人にこそ感じて欲しい時間です。温故知新の精神を忘れないで欲しいです。
今が一番若い時です。どうぞ「精進」してください。私自身「精進」を続け、多くの方のご指導ご鞭撻の上に、今の自分自身があると思っています。