1995年大学卒業後、富士ゼロックスに営業職として入社。
その後2003年からは、シマンテック、マイクロソフト、セールスフォースなどの米国IT企業の日本法人で、営業部門責任者を歴任。
そして2017年からは、米国IT企業2社の日本法人代表職を務める。しかし、これからはもっと多くの、特に日本企業の売上拡大に貢献したいという思いから独立を決意。
2024年1月からは自身で立ち上げた、ベイエリアネットワークス株式会社の代表取締役兼CEOとして、法人営業を行う企業の営業改革の推進と営業力強化のサポートをしている。
これまで約20年に渡り、米国IT企業の日本法人でビジネスを推進してきました。そしてその間、良くも悪くも多くのことを米国企業からは学びました。
例えば米国企業の製品品質に対する考え方や、顧客に寄り添う営業姿勢などは、正直非常に低いという感覚です。しかしその反面、営業生産性の向上に関わる領域は、非常に優れている点が多数あるとも感じています。
私はこれまで、米国の営業生産性向上に関する手法を、日本でも活用できるように改良し、実際に活用してまいりました。そして今、恐らくこの手法は多くの日本企業でも有効な手法になりうるのではないかと思っています。
現在は、それらの手法をより多くの日本企業に向けて発信していくということを目標に、活動を続けております。
私の若い頃は、あまり周囲を頼らず、一人で突っ張って仕事をしていた気がします。営業としての売り上げ実績もそこそこ良かったですし、多少天狗にもなっていたんでしょうね。今思い起こすと本当に生意気だったと思います。
しかし、33歳で初めて営業のマネジメントを経験したとき、当時の会社の社長にこんな事を言われました。
「少し黙ってろ。お前が何か言うと、みんな自分の意見を言わなくなる。」
私はハッとしました。確かに当時の私は、自分の意見ばかりを押し通そうとして、全くチームで動けていなかったのです。そのことに気づかせてくれた当時の社長には本当に感謝です。
そしてもう一つ大きな問題がありました。外資系で特にマネジメントとして働くうえで、やはり英語ができないと次のステージには行けないということです。当時、多少は英語を勉強をしていましたが、全く喋ることができず、本社から外人がやってくると、とにかく逃げていました。
当時の上司がバイリンガルのアメリカ人だったのですが、彼が病気で入院してしまい、本当に困りました。当時の私の上司の上司はシンガポール在住のアメリカ人で、当然彼は日本語が喋れません。しかし、自分のビジネスの状況を彼に適宜報告しなければならないのです。
私は必死に英語を使いました。当時は今みたいに性能の良い翻訳サイトなんてないので、辞書を片手に頑張っていました。本当に大変でした。
しかし、そんな辛い日々を1年くらい過ごしていたある時。英語の流れが感覚的にわかってきて、英語を喋れるようになったのです。人間苦境に立たされても諦めなければ何とかなるもんですね。
そして結果としてその10年後、米国IT企業の日本法人の社長をするという機会もいただきました。
どんな時でも苦境にめげず、そしてチームで仕事をするということは、本当に重要なんだと今では心底感じています。
SDGsへの取り組みという観点で言うと、やはり働きがいや技術革新、そして経済成長への貢献かなと思います。特に日本のSaaSベンダーには、今後もっと頑張っていただきたいと思います。
日本だけでなく、世界におけるITの領域、つまりここではハードウエアやOSやミドルウエア、クラウドで言えばIaaSやPaaSの領域を指しますが、これらの領域はこれまで概ね米国企業でマーケットが独占されてきました。もうここまで来ると、この領域に後発参入するのはほぼ不可能だと思いますし、参入する価値も無いように思えます。
しかし、その上の層の領域である、アプリケーションの領域と、それを共有利用するSaaSの領域は、まだまだ参入の余地が残っている領域です。特に近年の国内企業によるSaaSビジネスの発展は凄まじいです。
そして、AIを活用したSaaSを提供する国内企業も多数現れてきました。今後は、一社でも多くのこれらのSaaSベンダーのビジネス発展にも、営業力強化という側面で貢献していきたいと考えております。そして結果的にその活動が、SaaS技術の革新と経済成長への貢献に繋がっていけばと考えております。
そして働きがいという観点では、働く場所や働く企業を限定しない、新しいロールモデルの創出に挑戦していきたいと考えています。
近年、リモートワークの環境でストレスを感じることが本当に減りました。コロナをきっかけに、リモートワークのテクノロジーが発展し、通信環境の整備も非常に進んだためではないかと思います。
そして、副業というキーワードも近年非常に浸透しつつあります。大企業で働きながら起業もする。という方も増えてきたのではないでしょうか。
是非このリモートワークと副業という2つのキーワードで、私自身も新しいロールモデルの創出に挑戦してみたいと思います。
若い方達には、もっと海外にも目を向けて欲しいと思います。
日本は島国でかつ非常に高い言葉の壁があります。そしてこのことにより、日本は本当に独自の進化を遂げる国なのだと思います。しかし、ここには良い点と悪い点が交錯しています。
良い点は、日本は“カイゼン”の国ですし、海外のやり方を日本が一度輸入をすると、本当に独自のアイディアでうまくブラッシュアップします。そして独自の進化を遂げて国内に浸透します。
しかし、悪い点を挙げれば、近年特に国内だけをマーケットの分母として捉える傾向が強すぎるという点です。そして、内需に頼りすぎ、ビジネス規模があまりスケールすることもなく日本独特の進化だけを遂げて、そのビジネスが終焉していくのです。
歴史を紐解くと、特に高度経済成長の時代は日本の電機メーカーが輸出で外貨を稼ぎました。そしてそれは、当時日本が発展した要因の一つだったはずです。
しかし近年は、最低限でも海外とのコミュニュケーションをすることを勧めても、「まずは英語を勉強します。」とだけ言って、結局国内でのコミュニケーションで終わらせる方が多すぎる印象です。
グローバルは情報量が断然違います。私のような留学経験がない人間だって、稚拙な英語でも十分グローバルコミュニケーションは成り立つのです。
是非とも頑張ってください。期待しています!