河野剛進
kawano takanobu 河野剛進 株式会社バカン 代表取締役 https://corp.vacan.com/

Profile略歴

東京工業大学大学院修了(MOT)。画像解析や金融工学のバックグラウンドを背景に、株式会社三菱総合研究所で市場リスク管理やアルゴリズミックトレーディング等の金融領域における研究員として勤めた後、グリー株式会社にて事業戦略・経営管理・新規事業立ち上げ、および米国での財務・会計に従事。
その後、ベンチャー企業の経営企画室長やシンガポールでの合弁会社の立ち上げ等に従事した後に、株式会社バカンを設立。
社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

現在の仕事についた経緯

結婚して子供が産まれ、子供を連れて商業施設に行ったときのことです。とても混んでいて、ランチで空いている場所を探しているうちに子供が待ちきれずに泣き出してしまい、「もう帰ろうか」となった経験があり、これが始まりです。
そういう経験を何度か繰り返すと、外出自体が嫌で怖いものになってしまいます。それはとてももったいないなと思いました。こうしたマイナスの経験をなくすことができれば、限られた時間を最後まで大切に楽しく過ごすことができるのではないかと考えたのです。
無駄に待つことがなくなれば、選択肢が増えて心の余裕も持てるようになるので、他の人たちにも優しくなれます。それによって社会全体がもっと良くなっていく、そういう連鎖が起こせるのではないかと思い、この会社を立ち上げました。

仕事へのこだわり

Pride&Respect:バカンは、ユーザーのニーズに応えることを最優先に考え、提供する製品やサービスの品質には一切の妥協を許さず、常に最高のものを目指し改善を行っています。

Trust&Lead:所属や職位・役割などに関係なく、フラット&オープンなコミュニケーションがとれる組織を心がけています。チーム全体の協力と連携を重視しており、社員一人ひとりの意見やアイデアを尊重することで、より事業の質が向上すると考えています。

Delight&Integrity:持続可能性(SDGs)に則り、環境や社会に配慮した持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。これは、企業の長期的な成功に寄与すると考えられています。

「SDGs」についての取り組み・考えなど

トイレの空き状況がわかるというのもある意味、ハンディキャップの方たちへの情報提供ができる、という観点でSDGsに入るのかなと思います。また、このサービスを通じ、国際NGOのウォーターエイドと連携して、水やトイレの課題についての啓蒙や寄付の呼びかけをすることで「目標6.安心な水とトイレを世界中に」というテーマへの貢献をしています。

また、「目標13.気候変動に具体的な対策を」に対して、VACAN Mapsと呼ばれる避難所の空き状況をリアルタイムに可視化するマップを活用することで、激甚化する災害への対策に寄与することができると考えています。
「目標11.住み続けられるまちづくり」という観点に対しても、レジリエンスにおいてサポートをしていると言えますし、同時に行政職員や施設の管理スタッフが少ない労力で高いパフォーマンスを発揮できるような施設予約サービスなどによって、継続性が高まります。
私たちが自治体と組んでサービスを提供することで、職員の方は効率的な情報連携や作業支援によって本来やるべき業務に集中できるようになります。安心・安全な暮らしを実現してくことが、SDGsにつながると思っています。

事業自体において貢献できるSDGsの取り組みについては、アウトプットから考えて、類型にあてはめていく方がわかりやすいかなと思っています。私たちの事業は、なんらかの「不」を解決するものです。自分たちの行っていることが社会にどういう効果をもたらすかという観点で見たときに、SDGsの分類の中に当てはまれば、すなわち貢献できているということではないかと思っています。
SDGsを狙ってサービス設計をしていくというよりは、「価値を提供し続けた結果としてSDGsを達成していく」「サービスを通して貢献していく」という流れが自然だと考えています。

一方で、事業自体から生み出される結果としての貢献ではなく、組織としての有りようとしての貢献もあると考えています。
まず、業務の遂行自体については、私たちはほとんど紙を使わないようにしていて、無駄な資源の削減を意識しています。これは「目標12.つくる責任つかう責任」「目標15.陸の豊かさも守ろう」に貢献していると考えています。
また、取締役や部長などは女性に就任してもらっており、LGBTQに配慮した福利厚生や人事規則(社内でLGBTQの方の生の声を聞けたことで社内理解も進み、先日事実婚や同性婚などの方も含めて慶弔休暇などを利用できるよう就業規則の変更を行ったこと)があり、ジェンダーに関係なく、多様な人材が活躍できる企業でありたいと思っています。こちらは「目標5.ジェンダー平等を実現しよう」に該当すると考えています。

若者へのメッセージ

どういう未来をつくっていきたいかを考え、自分が当事者意識をもって、諦めずにチャレンジを続けてほしいですね。周りからの「できない」という声に惑わされたり、「こういうことは難しいかもな」と自分自身で限界を決めたりしないことが大事です。気持ちが折れそうになることもあると思いますが、やり続ければ共感してくれる仲間が次第に増えてきて、大きな輪になって、きっと成し遂げることができます。
若い人にはそれだけたくさんの時間が残されていて、様々なことに挑戦する機会があります。ただし、これは、若者だけに限った話ではなく、何歳からのチャレンジでもいいと思っています。
この記事を読んでくださっている皆様は、若者に限らず社会のために何らかの貢献をしたいと考えている人だと思います。そういう方であれば、いつだって自分たちが志高く実現したい明るい未来をつくっていける機会が巡ってくると考えています。
一緒に日本、そして世界を動かしていきましょう。