2010年に米国ミズーリ州立大学を卒業後、同大学のバイオテクノロジー研究室で勤務。
その後、元フロリダ・ディズニーワールド・ディレクターの上田比呂志氏に師事し、心の軸の持ち方を学ぶ。同年、官民ファンドで静岡県のファンドレイジング文化の浸透に貢献。
翌年、静岡初のNPO専門のファンドレイジング会社設立に参画。総合商社との資本提携後、営業部門の現場責任者として業務改革やシステム改善を担当。IT/デザイン・コンサルティング事務所BOWENを設立。
2023年に合同会社ウェルビーを設立。
私がこの仕事を始めたのは、長年高齢者施設で統括マネージャーとして働いていた母の想いに共感したからです。
母が定年を迎えた際、「困っている高齢者の方々が本当の意味で必要としている支援を提供したい。」と私に相談をして来たことが始まりですが、法人設立で代表になって欲しいという依頼に対しては、実は二度に渡り断りました。
しかし、私自身もあるご縁から業界の課題に触れることがあり、身元保証や終活支援の重要性を理解するようになりました。私の母の経験や知識は勿論のこと、周りの多くの専門家の方々の協力や応援が得られたこともあり、この仕事に取り組むことを決意しました。
私が仕事へのこだわりの中で最も重要視していることは、「ワクワクすること、愉しむこと」です。この理念は、新人時代の元上司と師匠からの教えが基盤となっています。
新人時代、元上司が私の企画書を見ながら「お前はこれを計画するときにどれくらい調べた?胃が捩れるほど悩んだのか?この計画書を書いた後ニヤニヤしたか?この企画書の内容を読んでも魂が乗っていない。やり直しだ。」と。元上司は「行動を起こす時、その一歩に体重が乗っているか、思いがぶれていないかを確認することが大切だ。」ということを教えてくれました。この言葉は私の心に深く刻まれ、仕事のあらゆる場面でその言葉が私自身の中に聞こえてきます。目の前の一歩一歩にしっかりと体重を乗せることで、確実な成果を生むことができるということを体感しています。
さらに、元上司は「ワクワクするためには準備が要るんだ。」とも教えてくれました。一時的な楽しさではなく、心から愉しむためには、しっかりとした準備と未来へのビジョンが必要だということです。実現したい社会やその先の未来を思い描くことで、今、目の前にある辛さや苦しみとも見えることがワクワクにつがっていることがわかり、愉しみに変えることができるのです。
また、師匠は「働くとは傍を楽にすること。自分の動きで周りが楽になっているかを常に考えなさい。」とも教えてくれました。幸せになりたいなら、まず自らが周りの人を幸せにすることが重要だと。「幸せな人に囲まれている自分はまた幸せになれる。そのために日頃から他人様に対して汗水という水を流し、努力という肥やしをやりなさい。そうすると強い根っこができ、そこから太い幹が上に伸び大木となり、しっかりとした枝が生え、大輪の花が咲く。それが幸せの花なんだ。」とも仰っていました。
当時の私には、師匠の周りにはいつも笑顔で幸せな人が集まってきているように見えていましたが、後になって、師匠自身が周りにいる多くの人を幸せにしていたんだ、ということに気づきました。
これらの教えを胸に、私は常にワクワクすることを追求しながら、目の前の仕事に全力で取り組んでいます。準備を怠らず、未来を見据え、目の前の困難にも愉しみながら向き合う。この姿勢こそが、私の仕事のスタイルであり、Welbieでの活動にも通じているものです。
当社は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、さまざまな活動を展開しています。特に力を入れているのは、「質の高い教育」「健康と福祉の向上」「不平等の解消」「住み続けられるまちづくり」「パートナーシップの強化」の5つの分野です。
目標4「質の高い教育をみんなに」:私たちは、スタッフだけでなく地域の人々も対象にした勉強会を実施しています。定期的に外部講師を招いてのセミナーや研修を通じて、最新の知識やノウハウを共有しています。こうした取り組みにより、社員一人ひとりが成長し、より高品質なサービスを提供できるよう努めていると同時に、地域全体の意識すらも変えていけるよう努めております。
目標3「すべての人に健康と福祉を」:高齢者の生活の質を向上させることは私たちの使命です。個々のニーズに合わせたケアを提供し、地域の医療機関や福祉施設と連携して、安心して健康的な生活を送れるようサポートしています。
目標10「人や国の不平等をなくそう」:私たちは身寄りのない高齢者に対して、身元保証や法的支援を提供することで、社会的な孤立を防いでいます。これにより、高齢者が安心して生活できる環境を整え、平等に幸せに生きるためのサポートをしています。
目標11「住み続けられるまちづくりを」:地域社会との連携を深め、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう支援しています。地域のコミュニティと協力し、高齢者が社会の一員として尊重される環境を作りに努めています。
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」:高齢者支援という仕事は、一社だけで多様化するニーズに対応することは困難です。私たちは、地域に根ざした事業者や団体と連携しながら、包括的なサポートを提供できるよう努めています。
SDGsの素晴らしい点は、取り組むべきカテゴリーを明確なビジュアルで可視化し、誰にでも分かりやすく伝えていることです。このような視覚的なアプローチは、共通の目標に向かって多くの人々が協力しやすくなります。
しかし、目標達成に向けた取り組みを掲げるだけでは不十分です。それが自己満足や達観に終わらないようにすることが重要です。実際の行動に移し、具体的な成果を出すことこそが求められます。
Welbieは、日々の活動を通じて実際に変化をもたらし、SDGsの目標達成に向け真摯に取り組んでいます。私たちは、その成果を評価し、改善し続けることで、真に持続可能な社会の実現を目指しています。
私は幸運にも、若い頃に家族から遠く離れた地で、多くの方々にお世話になりながら心身ともに育てていただきました。異なる文化や、様々な価値観に触れることで、視野が広がり、相手の立場を理解する力がその環境の中で養われました。よく『移動距離と人の成長は比例する』と言われますが、実際に異なる環境に身を置くことで、多様な視点を持つことができたのだと考えています。
特に自分のアイデンティティーを形成していく学生時代に海外へと飛び出し、人種マイノリティとしての立場を経験したことは、今現在の私の人生に大きな影響を与えています。言葉や文化の壁もありましたし、時には差別の対象となることもありましたが、それらの経験を経て、日本人である私たちだからこそ備わっている、言語を超えたコミュニケーションが出来ることの素晴らしさや、相手への思いやりや配慮の重要性を学ぶことが出来ました。
正直に言うと、若い頃は日本に対してあまり良い印象を持っていませんでした。しかし、海外での生活を経て帰国した後、日本が紡いできた文化や日本人の素晴らしさを再発見することで、日本人としての誇りを持てるようになりました。異なる視点の文化を経験するという機会を得たことで、日本の奥深さを知ることができたのです。
とはいえ私もまだまだ自分自身に悩み、もがきながら前に進んでいます。そんな中でも日々、新しい場所に出向き、様々な人々と出会うことで、新たな知恵を得ることができています。そのお陰で、どんどんと多面的な見方ができるようになり、自分が恵まれていることにも気づけ、感謝の気持ちを改めて感じることができています。
だからこそ、皆さんには、できる限り新しい場所に自ら出向き、多種多様な人々と出会うことを強くお勧めします。そこにはスマートフォンの画面越しでは得られない、生の体験がたくさんあります。直接人と会い、異なる土地を訪れることで、自分の感性が磨かれていき、人生が豊かになっていきます。こうした経験を通じて、自分自身を成長させ、社会に貢献できる力を養っていただけたら幸いです。